一眼レフ 外部マイク RODE (ロード) Stereo VideoMic X 購入レビュー

一眼レフ 外部マイク RODE Stereo VideoMic X レビュー

キヤノンの新型4Kビデオカメラ XC10で使うために、外部マイク RODE(ロード)のステレオコンデンサーマイク VideoMic Xを購入してみたレビュー。RODEと書いて、ロードと読む、ロデではない。

XC10を利用する前には一眼レフのNikon D4をメイン機として使いながらD4で動画撮影も行っていた。D4で動画撮影を行うと、さすがニコンのフラッグシップ一眼レフだけあって、HDビデオながらかなり高解像度の映像を撮影できる。家庭用のビデオカメラとは格が違う映像が撮れるのだが、音声収録に弱いという欠点があった。D4一眼レフ本体にはモノラルマイクのみが付いており、ステレオで録音するには外部マイクが必要となる。そこで最初に購入したのがニコン D4純正の外付けコンデンサー ステレオ マイクロフォン ME-1である。ME-1を使うとステレオ音声収録もできたし、音声品質にも満足していた。しかし、在るとき、お仕事の関係でニコンD4で手遊び歌 動画(メインでニコンD4を使って撮影、音声は全てME-1マイクで撮影)を撮影した所、音量を上げるとホワイトノイズが気になった。

今回、新たにキヤノンXC10という動画カメラを購入するにあたり、より良い品質で音声収録をするために外付けマイクを購入しようと思いネットを探し回った。そこで見つけたのが今回レビュー解説するRODE(ロード) Stereo VideoMic X ステレオコンデンサーマイクである。RODEはオーストラリアのマイク製造会社でありネット上の口コミ評価も良かった。どこで購入しようか探した結果、国内の正規代理店で購入すると10年保証が付くことが分かり、また、海外のアマゾンやB&Hなどで購入した場合と比べて円安の今日、価格もそれほど変わらない。そのため、銀一カメラで購入した。撮影日まで日が迫っていたため納期確認した所、何とかすぐに納品できることなので、購入した。今回購入したRODE Stereo VideoMic X ステレオコンデンサーマイクについて、実際の利用体験に基づいてレビューを行う。

RODE Stereo VideoMic X
RODE Stereo VideoMic X ステレオコンデンサーマイクをキヤノン XC10に付けてみた。

RODE Stereo VideoMic X ファーストインプレッション

RODE Stereo VideoMic X 開封
Stereo VideoMic X の外箱を開封。

RODE Stereo VideoMic X 付属品
マイク本体、通常の風防、ウィンドシールド、マニュアル、ケーブルが入っている。

RODE Stereo VideoMic X 付属品
マイク本体を拡大表示。

一眼レフ 外部マイク RODE VideoMic x本体を手に持つと、ずしりと重い。金属でできた固まり感が安心につながる。本体の重さは300gあり、全体は金属で出来ている。横にある9V電池ケースのふたも金属製、ふたを開けるとその裏にも補強用か?金属のプレートが付いている。さすがのプロ仕様 外付けマイクだけあって精密でありながら丈夫に見える作りが素晴らしい。屋外で外部マイクを使うためのウィンドスクリーン(風よけ、毛がふさふさと生えたやつ)も付属していた。

マイク本体の音を集めるマイク部分は手で触るとグラグラと動く。これは、カメラ本体の振動やスイッチ操作の振動をマイク集音部に伝えないための作りになっているのだと思う。マイクに付ける風防は二つ。風よけタイプの毛がふさふさタイプのものと、スポンジ製のものである。どちらも、マイクに付けるには風防の左右部分を押さえながら、ぱかっとかぶせるだけ。スポンジ製のマイク側内側を見てみると、マイクが収まる形に綺麗にくりぬかれている(写真を後日アップ予定)。

RODE Stereo VideoMic X を選んだ理由

今回、一眼レフ Nikon D4やビデオカムコーダー Canon XC10で利用する外部マイクを購入する際に、なぜRODE Videomic xを選んだかについて解説する。

「ノイズの少ない高性能」外部マイク

一眼レフや動画カメラ用の外部マイクを選ぶ際に、価格で選ぶか、性能で選ぶかという基準がある。今回は、価格でなく、とにかく性能で選ぼうと思った。ネット上の口コミやレビューを調査した所、高性能という点でSENNHEISER MKE 600 が最初に候補に挙がった。放送レベルの音声収録ができる高性能マイクであり、電源はファンタムパワー電源供給の他、電池対応も可能であったからだ。今回、手持ちの一眼レフやビデオカムコーダがファンタム電源対応でなく、電池で動く外部マイクが必要だった。また、Nikon D4はプラグインパワー対応のため、対応する外部マイクなら電池不要タイプも使えた(それが、ニコンME-1)が、キヤノン XC10で利用するとなると、プラグインパワー対応でないため、コンデンサーマイクを使うための電源が必要であった。

「ステレオ」外部マイクが必要。「電池電源対応可能な」外部マイク

SENNHEISER MKE 600 を購入しそうになったが、あれ、ちょっとまてよ、これって単体でステレオ収録できるだろうか?と調べてみると、詳しい方が見ると笑ってしまうかもしれないが、本マイクはモノラルマイクであった。ステレオ収録するには2本購入する必要があるのだろうか?それは現実的では無い、というで、新たにステレオ外部マイクを探した。

次に見つけたのがRODE(ロード)というオーストラリアのマイクメーカーである。スタジオクオリティーのビデオマイクを多数製造販売している。RODE Stereo VideoMic Proというマイクが高性能で良さそうであったが、さらに調べて見ると、最近新たに発売されたという(今回レビューするマイク)Stereo VideoMic Xというマイクのその形の美しさと性能の高さに一目惚れしてしまった。

ちょっと球形!?「まん丸球形」が可愛い、外部マイク RODE VideoMic X

一眼レフやビデオカメラ、ビデオカムコーダーの外付けマイクとしては、ガンマイクと呼ばれる一本だけの長いタイプのものが一般的であり、このように球体タイプは珍しい。この丸っこい球体の形が可愛い。見た目は可愛いけど、可愛いだけじゃない。その性能は素晴らしいのだ。

RODE Stereo VideoMic X スペック 仕様 解説

RODE Stereo VideoMic X のスペック、主な仕様は次の通りである。
周波数帯域 40Hz - 20kHz(選択HPF @0, 75Hz, 150Hz)
最大SPL 143dB
コメント:高い音圧レベルにも耐えられる
S/N比 82dBA SPL (as per IEC651)
コメント:感度良好。ニコンME-1と比較してホワイトノイズも少ないだろう
ダイナミックレンジ 131dB
電源オプション 9V電池(006P) 電池寿命は30時間、P48 両対応
コメント:電池電源に対応可能。9V電池がは使い勝手が少し悪いけど、性能が良いから大丈夫。ファンタム電源にも対応。将来ビデオカメラをグレードアップしてもマイクを継続して使えるだろう
保証 1年間の保証を10年保証へと無償延長可能。
コメント:なんと、10年保証が付けられる
質量 300g (電池無し)
大きさ 幅102mm x 長さ119mm x 高さ100mm

上記スペック理由により、RODE Stereo VideoMic Xを購入することを決断した。

RODE Stereo VideoMic X には便利な機能が付いている

上記の基本仕様以外に、RODE Stereo VideoMic Xには便利な機能が付いている。

RODE Stereo VideoMic X 背面ボタン
RODE Stereo VideoMic Xの背面には4つのボタンが付いている(上記画像は後日実写写真に差し替え予定)。

電源ボタンの他、縦に3つ並ぶボタンは上から、「高周波数ブースト・コントロールボタン」「ハイパスフィルター・コントロールボタン」「レベルコントロールボタン」となっている。それぞれの機能について解説する。

高周波数ブースト 機能

高周波数ブースト・コントロールボタンを押すことにより高周波数ブースト 機能をON/OFFできる。高周波数ブースト 機能を利用することによりウィンドプロテクションの使用による高周波数の損失を抑えることができる。ブースト機能で、3KHz以上の高周波数領域を+6dB ブーストさせることで全体的により明確な音声信号を得ることができる。

ハイパスフィルター 機能

ハイパスフィルター・コントロールボタンを押すことによりハイパスフィルター 機能をON/OFFできる。ハイパスフィルター(HPF)は、低周波数帯域のノイズを除去することができ録音中の雑音や、他の低周波数ノイズを者談することができる。例えば、一眼レフカメラや動画ビデオカムコーダの冷却ファンノイズ、背景から聞こえる遠くの車の音、エアコンから聞こえる風の音などを除去したい際に利用する。ハイパスフィルター・コントロールボタンを押す度に設定が切り替わり、75Hz以下を除去、150Hz以下を除去設定可能である。

レベルコントロール 機能

レベルコントロールを押すことによりレベルコントロール 機能をON/OFFできる。最も低い設定(-10)では、信号レベルを10dB減少させる。大音量撮影時にカメラへの入力レベルを減少させ最適な信号入力を得られる。最も高い設定(+20)では、信号レベルを+20dB増加させる。水のせせらぎの音声を録音する場合など、非常に静かな環境での音を増幅させることができる。カメラの入力レベル調整が可能な場合は、カメラ側のレベルをさげ、Stereo VideoMic Xの信号レベルを +20dB 設定することによりカメラ側のマイク・プリアンプ が低品質であったとしてもノイズ発生を低く抑えて全体的により鮮明な録音が可能になる。

RODE Stereo VideoMic X 価格

RODE Stereo VideoMic X の価格は、国内価格: 110,808 円(税込)。海外ショップで購入する場合は約800 US$ (1ドル125円換算で計算すると、約800 US$×125円/US$=約10万円)であるが、購入した際の対応やサポート、及び国内正規代理店で購入した場合に付く10年保証や、海外品を購入した際にかかるかも知れない関税や別途消費税を比較すると、国内ショップから11万808円(税込)で購入することに決めた。

国内正規店を検索、及び楽天やアマゾンやヨドバシカメラで検索してみたが、在庫販売している箇所が見つからず、最終的に、銀一カメラの納期が早かったので購入を行った。

外部マイクを屋外で使う際の風防の毛がふさふさ生えたやつ

外部マイクを屋外で使う際の風防の毛がふさふさ生えたやつ、あれ何て言うんだったけ、購入時に同時購入しようと思ったけど型番が分からず。そのふさふさのやつの一般名称はマイク風防や、マイク ウィンドスクリーンというらしい。結局同時購入はしなかったが、届いたRODE Stereo VideoMic Xの箱を開けてみたら、中にウィンドスクリーンが入っていた(上記写真)。

RODE Stereo VideoMic X で充電タイプのリチウム電池が使えるか?試してみた

RODE Stereo VideoMic Xで充電タイプの9V 6P電池を使えるか?

RODE Stereo VideoMic Xの取り扱い説明書を見ると「RODEは電池寿命を最大限に発揮させるためには、品質の良いリチウム電池もしくはアルカリ電池を使用される事をお勧めします。」とあるため、メーカーが、リチウム電池利用も可能と言っていることになる。今回国内メーカー製の東芝とパナソニックのリチウム電池を購入して動作比較検証を行った。

東芝とパナソニック製の9V 6P リチウム電池を購入した

RODE Stereo VideoMic X ステレオコンデンサーマイクはXLR入力のパワー入力に対応しているが、プラグインパワー非対応のCANON X10で使うバイは、9V 006P電池を使うことにより外部マイクを利用できる。9Vの通常乾電池を使うこともできるが、充電型のリチウム水素電池を利用できるか試してみた。国内メーカーでは、TOSHIBAとPanasonicから充電型の9V電池が発売されているため、両方を購入して試してみた。なお、両社から9V リチウム水素電池の充電器も発売されているが東芝製の方がパナソニック製よりも小型軽量のため、今回は東芝製の9V電池 充電器を購入した。その後、やや問題あり(後ほど詳述)、パナソニック製の9V電池も購入した。

TOSHIBA 9V 006P 充電池 IMPULSE
【今回のオススメ】9V 006P の充電型電池 TOSHIBA IMPULSE。

パナソニック 9V 006P 充電池
写真右は、パナソニック製の9V 006P の充電型電池。TOSHIBAの充電器とPanasonicの電池では少々相性が悪かった(今回1回試しただけだが、正常に充電完了しなかった)。また、Panasonic 9V電池純正の充電器よりもTOSHIBA 9V充電池純正の充電器の方が体積が小さいため保管にも持ち運びに便利。今回は、TOSHIBA製の9V充電池とTOSHIBA製の純正充電器のセット購入をオススメする。頑張れTOSHIBA!!

RODE Stereo VideoMic Xに充電池タイプの9V 6P電池を入れると取り出しに苦労する

今回、電池維持費を軽減させるために、充電池タイプの 9V電池を購入した。RODE VideoMic Xの説明書によると充電タイプのリチウム電池を使えるとの説明が書かれている。マイクについては問題無く機能したが、 電池が取り出し出来なくなるという事象が発生した。これがその写真だ。

RODE Stereo VideoMic X 電池が取り出せない
RODE Stereo VideoMic Xに充電池を入れると取り出しに苦労する。

RODE Stereo VideoMic Xは、電池を縦に押し込んで入れるタイプとなっている。RODEマイクの電池室の内部構造は、置くに一本のバネのような針金が見える。恐らく設計上は電池室の蓋を開けるとバネに押し出されて電池が出てくる仕様となっているはずだが、東芝とパナソニックの充電型9V電池の場合電池室内部の壁(?)が窮屈で電池を取り出すのに苦労する。特に、パナソニックの充電型9V電池は上記写真の通り手で引っ張ろうとしても電池の角が丸くカーブしておりそのままではなかなか取り出すことができない。パナソニック電池と東芝電池を比べると、東芝電池の方がまだ取り出せたが、それでも取り出しに時間がかかる。電池の底を上下左右にカタカタ何度も動かすと、少しずつ電池が出てくる(パナソニック製はそれでもほぼ取り出せない)。これは設計ミスでは無かろうか?または電池側のサイズがおかしいかと計測してみたが、9V電池のサイズの範囲内であった。

試しに、乾電池タイプの9V電池を使って見たら、問題無く電池が取り出せた。乾電池タイプの9V電池は外装がツルツルと滑りやすい金属製になっていたが、今回利用した東芝製、パナソニックの9V充電池は外装がプラスチックフィルムでできており、しかもしれが滑り難い素材になっているのも影響しているようだ。それでも、電池室の内部の壁をあと0.5mm大きくするか、または電池を取り出せる機構を付けてくれれば解決できそうではあるが当方ではどうしようも無い。本件については、メーカーサポートに問い合わせてみようと思う。

9V 006P電池、アルカリ電池、リチウム電池 サイズ比較

9V アルカリ電池、リチウム充電池比較
写真左から、パナソニック「アルカリ電池」、東芝リチウム電池、パナソニック「リチウム電池」となっている。一番左のアルカリ電池は右二つのリチウム電池と比較して横幅0.3mmほど小さい。さらに、電池表面が金属製のため、電池室からも取り出しやすい。右側二つのリチウム電池はRODEマイクの電池室の内部にひっかかり、取り出しに苦労する。上記写真の黄色いテープは、取り出しを容易にするために今回付けたものである。

RODE Stereo VideoMic Xで充電池タイプの9V 6P電池を使う方法1

TOSHIBA Panasonic 9V 充電池
電池を引っ張って取り出すための糸を付けてみた。しかし、RODEマイクの電池室に入れると電池室の蓋側もぎりぎりのサイズになっているため、写真手前の引っ張る箇所の結び目窮屈でふたを締める際に力を入れて無理に押し込まなければならない。また糸は外れやすいため、充電したり保管したりする際に糸が取れてしまうのも心配だ。

RODE Stereo VideoMic Xで充電池タイプの9V 6P電池を使う方法2

TOSHIBA Panasonic 9V 充電池に取り出しテープを貼る
電池に、引っ張って取り出すためのテープをはってみた。テープは、セロファンテープよりも綺麗にはれて耐久性も高いテプラのテープを利用した。

TOSHIBA Panasonic 9V 充電池に取り出しテープを貼ると取り出せる
糸よりもテープの方が結果は良かった。取れる心配も少なく、取り出しも容易である。ただし、こちらも、電池ふたが窮屈でふたを締める際にマイクが壊れないか心配になる。

RODE Stereo VideoMic X を国内正規代理店で購入すると、10年保証が得られる

RODE Stereo VideoMic Xの保証は通常1年間のみであるが、国内正規代理店で購入の上、RODE マイクロフォン 公式サイトでシリアル番号を登録すると、購入から10年間の保証が得られる。なお、登録の際に購入店を登録したり領収書や納品書などの購入証明書を電子データで送信する必要がある。海外から個人輸入でVideoMic Xを購入すると国内正規店で購入するよりも少し安い場合もあるが、10年保証が得られ無い可能性もあるため、VideoMic Xを購入する際は、国内正規店で購入することをお勧めする。

なお、海外ショップから購入した際は、場合によっては関税がかかったり、消費税相当分の請求があったりするため、円安の現在なら保証やサポートも手厚い国内正規店での購入をおすすめする。


関連記事: Canon XC10 スペック 仕様を徹底検証
関連リンク: RODE マイクロフォン 公式サイト

Canon XC10 アクセサリー 関連記事

スポンサード リンク