Canon XC10 の魅力と欠点 レビュー

Canon XC10 の魅力と欠点

Canon XC10の魅力と欠点を解説します。今後、随時記事を追加予定です。

Canon XC10は圧倒的に小さいボディが魅力

Canon XC10 本体
Canon XC10 本体。本体重量わずか約930gと圧倒的に小さくて軽い。

綺麗な4K映像を記録しようと考えていた方にとっては圧倒的に小さくて軽いボディが一番の大きな魅力である。どんなに美しい映像を撮れるビデオカムコーダであっても大きなボディや重い撮影重量では機動力に欠ける。手軽に持ち運べながら綺麗な映像を残したい方には、現時点でコンパクトボディのCanon XC10以外の選択肢は存在しない。Canon XC10本体だけで、十分なマイク性能を持ち、またレンズ焦点距離も35mmフィルム換算で動画撮影時27.3-273mmと、室内撮影から運動会撮影まで十分な性能である。民生用途は勿論、業務利用にも十分に利用できる基本性能を備えた上でのコンパクトボディは圧倒的な魅力である。

Canon XC10は305Mbpsの高画質映像を記録できるのが魅力

Canon XC10は、305Mbpsの高画質映像を記録できる。ここで言う305Mbpsとは1秒間あたり、最大305メガビットの情報量でデータを記録するという意味である。この数字が大きい程記録するデータ密度が高くなり、より高画質な映像を記録することができるのだ。1秒間に305メガビット=約38メガバイト/秒=1分間記録するとデータ量は2.2ギガバイトになる。128ギガバイトの記録メディアを使った場合に1枚の記録メディアに約55分間の映像を記録することができる。

4K動画と言っても、4Kとは、横3840ピクセル×2160ピクセルの映像を記録するという意味であり。その巨大な映像データを圧縮して記録する際、高画質映像を高圧縮して小さくしてしまうと映像が劣化してしまう。その点、Canon XC10では、キヤノンが新たに開発したXF-AVCというデータ形式で映像データを記録し、映像はMPEG-4 AVC/H.264という形式で記録される。新しいデータ記録形式であるが、筆者が仕様する動画編集ソフトAdobe Premiere Proでは既にこの形式の編集に対応しており編集に問題は無い。ただし、動画編集ソフトによってはXC10のデータ形式に対応していない場合もあり、注意が必要だ。

4K動画からの静止画切り出しも高精細

キヤノンXC10の4K動画記録は横3840ピクセル×2160ピクセルの映像で記録される。3840×2160=約800万画素で記録され、動画の一場面を静止画として切り出しても十分に鑑賞に堪えられるレベルの高精細静止画切り出しが可能である。動画からの静止画切り出しは、動画ソフトから簡単に行うことができる。1秒間に30コマの4K動画から1コマを切り出すということは、つまり、1秒間に30コマの高速連写可能な800万画素デジカメのような存在である。高速に動くスポーツ映像からベストタイミングの静止画を取り出すことができる。なお、スポーツ映像などの動く被写体から綺麗な静止画を切り出すには、撮影時のシャッタースピードを高速にしておかないとブレブレの静止画になってしまうので注意が必要だ。プログラムモードで撮影した場合は、シャッタースピードと絞り設定が自動で行われるため、シャッタースピードが1/60秒や1/30などの低速シャッターになり、動いている被写体はぶれてしまう。プロレスや水泳や野球などのスポーツ映像、動く映像を撮影して綺麗な静止画を撮影するためには少なくとも1/100秒よりも速い(分子が大きい)シャッタースピードが必要である。ただし、室内などの暗い場面で撮影するにはシャッター速度を高速にすると、撮影感度が上がりノイズの乗った映像になってしまう。室内撮影の場合、東日本では1/100、西日本では1/120のシャッタースピードが最適であろう。

4K動画の記録メディア消費量が激しいのが欠点

XC10は、4K動画を305Mbpsという高精細記録できるのがメリットであるが、逆に、大量の記録メディアを消費してしまう。約10万円する128GBのCFast(CFastの読み方は「シーファスト」)カードを使って4K動画を記録すると、約55分でメディアを使い切ってしまう。さらにその大きなファイルをパソコンで編集する際も、大量のハードディスクを消費してしまうのは欠点である。4K動画でなく、HD動画で記録すると4K動画と比べて約1/10のファイルサイズとなるため、撮影する映像により、4K記録か、HD記録かを使い分けたい。

CFastカードのデータを読み込むには、CompactFlashのリーダーでは読み込むことはできないため、CFastカード対応のカードリーダーを使います。

4K動画の記録メディア CFast 2.0が高価なのが欠点

Canon XC10に4K映像を記録するにはCFast 2.0規格のメモリーカードが必要となる。XC10に従来のHD映像を記録するにはSD、SDHC、SDXCを利用できるが、4K映像記録用のCFast 2.0カードは、2015年7月現在128GBメディアで10万円以上と高価である。4Kの高画質映像をメディアに記録するには、高速アクセス可能な記録メディアが必要となってくるが、現時点では、CFast2.0カードとXQDカードしか存在しない。他社カメラでXQDカードを採用した例もあり、CFast2.0カードの方がXQDカードよりも2割ほど価格が高いが性能はCFast2.0カードの方が上であり、今後CFast 2.0カードが普及してくれば記録メディア価格が下がってくるだろう。

Canon XC10は、Log記録できるのが魅力

Canon XC10は12ストップ相当の広いダイナミックレンジを持ちつつハンドリングしやすい、Canon Logを採用しました。12ストップの広いダイナミックレンジにより、白飛びしづらくまた黒つぶれしにくい階調豊かな映像を記録できる。なお、Log記録した映像を生で見るとコントラストの薄い色乗りの悪い眠たい映像に見えるが、動画編集ソフトによりグレーディング作業を行うことにより美しい映像が出現する。実際のLog記録映像と、グレーディング後の映像サンプル映像を後日掲載する予定です。

Canon Log記録した映像はカラーグレーディング作業が前提となるが、XC10では、もっと使いやすくダイナミックレンジを広げられるワイドDRガンマも選択可能となっている。ワイドDRガンマはITU-R BT.709をベースに自然な階調と白飛び、黒つぶれの低減を実現している。ITU-R BT.709をベースとしているため、ポスト処理を必要とせずに撮影したままのデータを使用することの可能である。

XC10の動画データの拡張子はMXF、現時点ではまだ使いづらい

XC10で撮影した動画は拡張子がMXFのファイルとして記録される。4K動画で撮影した場合もまたHD動画で記録した場合も同じくMXFの拡張子になり、ファイル名だけで4K動画かHD動画かを見極めるのは難しい。

さらに厄介なのが、MXFファイルがまだOSでデフォルトで再生できないことである。XC10に附属のツールを使うと、MXFファイルを再生することはできるが、ハードディスクから、MXFファイルを選んで動画編集しようとすると、OSレベルでプレビューできないため、ファイルをえら便じゃ柄動画編集ツールに取り込むことが難しい。将来は、きっと、MAC OSやWindowsがMXFファイルのプレビューに対応するか、またはプレビューツールが現れることを願っている。

XC10のマイク性能は優秀

XC10には、カメラ上部にステレオコンデンサー内蔵マイクが付いている。外部マイクを使わない場合も、この内蔵マイクだけで十分に臨場感溢れる音声を収録することができる。観客席から目の前のプールを泳ぐ選手を撮影した際、場内放送も、観客席の応援の声も十分なレベルで記録できた。音声入力レベルも自動的に調整されるため、大音量が割れる心配も少ない。

XC10は、内蔵マイクだけでも十分に音声記録できるが、XC10に外部マイクを接続することにより、さらに高品質な音声記録を行うことができる。

XC10のオートフォーカス速度は遅い

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XC10のHD動画品質には満足

XC10は、4Kを撮影可能なビデオカメラであるが、HD動画(1920x1080)も撮影できる。4K動画は、CFast 2.0カードに記録され、HD動画はSDカードに記録される。その逆、または同時に2枚のカードにデータ記録することはできない。

XC10を4Kカメラとして購入したが、購入から半年後の2016年1月時点、4K動画撮影よりもHD動画撮影頻度が高くなった。なぜならば、4K動画はデータファイルサイズが巨大すぎるため、データ保管が大変であること(ハードディスク容量が必要)。HD動画の品質が非常に高く、当方のメイン利用目的であるYouTube動画撮影にはHD動画だけで十分であるためである。HD動画カメラとして、以前何台もの別機種のビデオカメラを利用してきたが、その中でも、XC10で撮影したHD動画が一番品質が高いと感じる。HD動画を撮影するだけのカメラとしても十分に満足できるものである。

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