AVX ゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2 ME2レビュー

2019/4/3更新

Sennheiser AVX MKE2 レビュー

Canon XC10とゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2
Canon XC10にゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2の受信機を接続

ゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2をキヤノンの4KビデオカメラXC10と一緒に使ってみた。Sennheiser AVX-MKE2は、2015年9月にドイツの機器メーカー ゼンハイザーから発売されたワイヤレスマイクシステムである。「AVX」は、SennheiserのワイヤレスマイクロフォンやDECT方式伝送に関する技術が結集されて開発された同社の新シリーズである。今まで、カメラマンや取材チームを悩ませていた受信機への取付や、周波数設定、混信・電波干渉対策などの悩みを解決し、ストレス・フリーなワイヤレス運用を可能にしてくれる。

受信機は、わずか87gの軽量コンパクトな設計となっており、カメラのXLR音声入力端子に直接取付けができ、素早いセッティングが可能となっている。今回レビューを行うデジタルカメラ Canon XC10にはXLR端子が付いていないが、AVX-MKE2には、XLR端子から3.5mmのマイク端子への接続ケーブルが付いており、AVX-MKE2を問題無くXC10で使うことができた。

ワイヤレス音声伝送の通信方式は、DECT(英語: Digital Enhanced Cordless Telecommunications)方式を採用している。DECTとは、欧州電気通信標準化機構(英語: European Telecommunications Standards Institute; ETSI)が1988年に策定したデジタルコードレス電話規格である。 電波周波数 1.9GHz帯を使用するDECT方式を採用することで、Wi-FiやBluetoothによる干渉を気にする必要がない。近年、自宅環境のみならず屋外や公共屋内においてもWi-Fi環境やブルートゥース対応スマホが溢れており、従来の2.4GHz耐の電波では電波干渉による音声途切れなどの影響が増えつつあった。ゼンハイザーのAVXシリーズは、1.9GHzの電波周波数を使っておりWi-Fiやbluetooth電波との混信干渉を心配せずに運用できることが、今回筆者がAVX-MKE2を購入した決め手となった。

ゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2
ゼンハイザー ワイヤレス ラベリアマイク AVX-MKE2

ゼンハイザーのAVXシリーズ ワイヤレスラベリアマイクには、型番の異なる定価12万円(税別)のAVX-MKE2、定価10万円(税別)のAVX-ME2の2種類が存在する。MKE2の方が2万円(税別)が高い設定となっているが両者の違いは、MKE2がプロ仕様マイク、ME2が普及型ラベリアマイクが同梱されている。

Sennheiser AVX MKE2 は超小型で軽量

Sennheiser AVX-MKE2は、受信機、送信機、そしてマイクまでが超小型で軽量である。短時間利用した感想としては音声品質はとても良いと感じた。プロ仕様マイクでありドイツの高級メーカーであるゼンハイザー製品のため、品質は圧倒的に信頼できる。

Sennheiser AVX-MKE2 のディレイタイムは単体利用では全く問題無し

Sennheiser AVX-MKE2のディレイタイムは19msecとある。19msecのディレイ(遅延)とは、1000分の19秒の遅延である。秒間30コマのビデオ映像では、1フレームが33.3msecのため、1コマの半分強の遅延が発生する。19msecのディレイタイム値は他のデジタルワイヤレスに比べて少し遅い。例えばオーディオテクニカ ATW-1701のディレイタイムはメーカーの回答ですとおおよそ3~4msecとなる。AVX単体で使用する際は遅延による問題は殆ど影響が無いがその他のマイクと併用すると遅延がはっきり出てしまうと思われる。しかし音声遅延には回避策がある。例えばDSLRカメラとセットで使うマルチチャンネル音声記録装置 TASCAM DR-701Dには、各チャンネル毎に音声遅延を最大300msec遅延調整できる機能があり各チャンネル毎にディレイ調整を行い複数チャンネルの遅延時間の違いを吸収できる。

Sennheiser AVX MKE2 の電池の持ち時間と充電時間

Sennheiser AVX-MKE2は取り外し可能な充電池を採用している。送信機の充電池はゼンハイザー BA 30という充電パックを利用し4時間半で満充電、1時間で30%までチャージできる。受信機の充電池はBA 20という型番の電池であり1時間15分で満充電、15分で30%まで充電できる。満充電の場合の電池の持ち時間は、送信機は約16時間、受信機は約4時間となっている。ただし電波状況や送受信機の間の距離によっても利用可能時間は変わってくる。本製品AVXの場合、充電池を取り外して交換できるので予備電池を持てば運用上電池の残り時間を気にする場面は少ないだろう。電池残量はLEDインジケーターで表示される。また、充電池単体でスマホ用のUSBケーブルでパソコンやUSBコンセントから直接充電することができるのは便利である。

Sennheiser AVX シリーズの価格

ゼンハイザー(Sennheiser) AVXシリーズの価格は次の通り。筆者がAVXシリーズを購入する際に、様々なショップで最安値価格を調査した。また、楽天、ヨドバシカメラ、アマゾンで購入できるかも調査したが、ヨドバシカメラでは取扱が無いとのことだった。AVXシリーズは、プロ用機材のため、一般の電気屋さんや一般のネットショップでは取扱が無いようである。また、値引きも殆どされていない。

SENNHEISER AVX-MKE 2

カメラ用ワイヤレスシステムAVX(ピンマイクMKE2付き/ボディパック送受信機セット) AVX-MKE2

実勢価格は、120,000円(税抜)。95,000円(税抜)。

(2019/4/3追記)発売直後に筆者が購入した価格は、120,000円(税抜)であったが、2019年4月に確認したところ95,000円(税抜)で販売しているのを見つけた。いつの間にか値下げしたのか、または商品がリニューアルしたのかは不明である10万円以下になったことにより購入した年に一括償却できるようになったことはありがたい。12万円(税別)でも性能的に十分満足はしていたが、95,000円(税別)で購入できるのであればYouTuberを含めて多くの動画撮影者に本マイクをお勧めしたい。

SENNHEISER AVX-ME 2

カメラ用ワイヤレスシステムAVX(プロ仕様のピンマイクME2付き/ボディパック送受信機セット) AVX-ME 2

実勢価格は、100,000円(税抜)。83,120円(税抜)。

SENNHEISER SKM AVX-835S

カメラ用ワイヤレスシステムAVX(指向性マイクカプセル付き/ハンドマイク送信機)。マイクのみ単体。

定価は、52,000円(税抜)。

Sennheiser AVX MKE2 ラベリアマイク レビュー

ゼンハイザーのAVX-MKE2には、MKE2-ew GOLDという定価44,100円(税別)のラベリアマイクが附属していた。2万円安いAVX-ME2には、ME2という定価10,500円(税別)が附属となっており、AVX-MKE2、AVX-ME2の定価2万円の違いに比べて付属品マイクは3万3600円(税別)の価格となっているため、付属品価格の差だけで見ると、AVX-MKE2の方がお得感がある。

ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2
ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2-ew GOLDの先端部は約5mmと超小型

ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2 付属品
ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2-ew GOLDの付属品

ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2-ew GOLDの付属品は上記の通り、写真右はモフモフ毛が生えたウィンドスクリーン(風防)、左上の丸い網状の品はウィンドスクリーン風防を付けるほどではないが風や吐息の影響を避けたい場合に使う小型の風防。そして、中央の円筒状のものはマイク先端に付けて使う付属物で、長いものと短いものによってマイクの高周波特性を変化させることができる。右上、そして左下の部品を使ってマイクを胸元に付けるラベリアマイクとして使うことができる。

ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2 付属品で周波数特性を調整可能
ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2 付属品で周波数特性を調整可能

ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2 をピンマイクとして利用する方法
ゼンハイザー ラベリアマイク MKE2 をピンマイクとして利用する方法

AVX SK(ボディパック型 送信機) レビュー

ゼンハイザー AVX 送信機
ゼンハイザー AVX 送信機

ゼンハイザー AVX 送信機 側面
ゼンハイザー AVX 送信機の側面に電源ボタンとペアリングボタンが付いている

ゼンハイザー AVX 送信機 上面
ゼンハイザー AVX 送信機の上面に LEDインジケーター、3.5mmプラグミニジャック、ミュートボタンが付いている。電源をONするとインジケーターが緑色に点灯し、ミュートボタンをシフトするとインジケーターがオレンジ色に点灯する。例えばマイクを付けたままトイレに入る際にはミュートボタンを利用することによりマイクを外すことなく電波送信を停止できる。

AVX SK(ボディパック型 送信機) 電池の持ち時間は15時間

電池パックは、SENNHEISER BA 30 AVX SK(ボディパック型送信機)用充電池が対応する。電池は最大約15時間使用可能。一日中電源を入れっぱなしでも大丈夫。

AVX-XLR OUT 小型 受信機 EKP AVX レビュー

ゼンハイザー AVX 受信機
ゼンハイザー AVX 受信機。超小型受信機、受信機本体をカメラのXLR端子の直接接続することができる(3.5mmプラグへの変換ケーブルも附属している)。ホットシューアダプターを付けた状態で撮影(ホットシューアダプターは、受信機本体に差し込むだけで簡単に取付取り外し可能)。

ゼンハイザー AVX 受信機を見て欲しい(上記写真)。超小型の受信機本体をカメラのXLR端子の直接接続することができる。3.5mmプラグへの変換ケーブルも附属している。この受信機の美しいデザインに一目惚れして、筆者はゼンハイザーAVXを購入した。黒い本体と、スカイブルーのアンテナのコントラストといい、この小さなボディといい本当に美しすぎるワイヤレスマイク受信機である。

ゼンハイザー AVX 受信機 側面
ゼンハイザー AVX 受信機 側面。

AF outボタンで音声出力レベルを-30db、-20db、-10db、-0dbと4段階で調整できる。中央の赤色ボタンは電源ON/OFFボタン、Pairボタンはペアリングボタンである。一度送受信機をセットでペアリングすると、電源を切って入れ直した際も自動的にペアリングされる。

AVX-XLR OUT 小型 受信機 EKP AVX 電池の持ち時間は4時間

電池パックは、SENNHEISER BA 20 AVX EKP(小型受信機)用充電池が対応する。電池は最大約4時間使用可能。

Canon XC10 アクセサリー 関連記事

関連リンク: AVX-MKE2 商品紹介サイト(公式サイト)

スポンサード リンク